アート

【水戸】佐藤雅晴尾行 1月30日(日)まで

水戸芸術館で開催中の「佐藤雅晴 尾行-存在の不在/不在の存在-」展に行ってきました。

2019年に45歳という若さで他界された佐藤雅晴さんの大規模展覧会が、佐藤さんの故郷である大分県から水戸芸術館に巡回するということで、待ちに待っていたのですが、行こうとすると、家族の用事だったり、雪だったり、電車が止まったり、となかなか向かえず、年を越してしまいました。

1999年にデュッセルドルフで制作した《I touch Dream #1》から最後のシリーズ作品となった《死神先生》まで、多種多様な佐藤雅晴さんの作品を一堂に紹介した展覧会です!紹介前に書いてしまいますが、これは全佐藤雅晴ファン必見の展覧会です(コロナ禍で言いづらいですが)。

概要

開催日:20211113日(土)~2022130日(日)

開催時間:10:0018:00(入場は17:30まで)

休館日:月曜日、年末年始(1227日(月)~13日(月))、ただし110日(月・祝)は開館、111日(火)休館

入場料:一般900円、団体(20名以上)700
高校生以下/70歳以上、障害者手帳などをお持ちの方と付き添いの方1名は無料
学生証、年齢のわかる身分証明書が必要です
1年間有効フリーパス「年間パス」2,000

展示室入口にある、こちらの「佐藤雅晴尾行 すごろく鑑賞ガイド」は必携です!

佐藤さんを尾行するためのキーワード、よく登場するモチーフ、展示室以外にある作品も紹介してくれています!子供用かな、と思ったら、むしろ感性が鈍感になりがちな大人ようです!

佐藤雅晴さんを尾行しましょう!

この展覧会では、撮影された日常風景をパソコン上でペンでなぞるようにトレースしてアニメーション化する「ロトスコープ」という手法で映像作品を制作してきた佐藤雅晴さんをみんなで尾行していく展示になっています。

最初の部屋では、佐藤さんが1999年にドイツのデュッセルドルフで活動されていた頃の《I touch Dream #1》のような白黒の前編手書きの映像作品、《TRAUM》(2004-2007)のようなカラーの映像作品が流れる中、制作の様子がわかるような資料も展示されています。

私は《Callig(ドイツ編》(2009-2010)がとても好きなのですが、特にこの、何気ない朝ごはんの光景で電話の鳴っているのに誰もいない様子も好きです。コーヒーからは湯気も上がっているのに。

女性はどこへ。

順番にこちらを向いてくる顔が不気味な作品。でも、なんだか癖になって、何度もみてしまいました。

《アバター11》(2009)

初期の作品には海外の作家さんが描いたような作品もあったんですね。こういう子、いそう。写真みたい。

《東京尾行》(2015-2016)のピアノを中心として、作品に囲まれてしまう、素晴らしい展示室が続きます!佐藤雅晴さんの作品が好きな理由のひとつは、東京を冷たい場所として描いてないように感じるからかも。東京は自分にとっては故郷なので、冷たかったり、暗い場所として扱われると、やっぱり悲しいのかも。

《ダテマキ》(2013)は各工程の映像が延々と流れ、床にはヒーロー!?

佐藤さんの作品によく登場するのが、飛行機、青いタイル、車窓、そして、桜。

いつの作品なのか、時系列がわからなくなるのが、不思議で、少し不気味で、でも、心地いいです。

《東京尾行》(2015-2016)

《夜空》(2018)

《RYG》(2014年)

 

《スイッチ》という作品への佐藤さんの言葉もとても印象的です。

自宅のスイッチは、OFFにすると小さな光が灯る。自分はOFFにもかかわらず、夜中に「ここだよ」と教えてくれているその姿勢に感動します。

《浴室》、《スイッチ》

 

桜は《福島尾行》の中でも圧倒的な存在感を出しているので、ぜひそちらもご覧になってください。

《エレジーシリーズ”桜”》(2011)

TOKAS本郷での「霞はじめてたなびく」展では、休憩室で展示されていた《雪やコーヒー》とも再会できました。この角砂糖をコーヒーに入れる瞬間、コーヒー色になる一瞬が見事に描かれていて、この瞬間を見たいために、少し長居してしまいました。

この展覧会の企画者、担当学芸員は相当な佐藤雅晴さんのファンで、尾行者なのだろうなあと感じるような会場でした。

ご本人が生きてらしたら、この展覧会でトークイベントをされたり、言葉を添えてくださったことでしょう。

生きてらしたら、このコロナ禍をどんな作品で表現してくださっていたのでしょう。本当にとても残念です。

コロナ禍という、いつまで待てばいいのか、わからない、永い、永い、エレベーターを待った後、私たちが出会うのは、どんな未来でしょう。

展覧会に向かわれた方のtweetの中に、《バイバイ、カモン》を”黄泉比良坂”と喩えてる方がいて、原美術館で佐藤雅晴展が開催された際、入り口に展示されていたこの作品を見た時、かわいいウサギとクマなのに、不穏な雰囲気を感じたのは、それだったか、と今更ながらに合点がいきました。
いつかみんなが通る坂。

《バイバイ、カモン》(2010)

会場以外にも作品が!

行き、帰りには、水戸芸術館1階入り口、コーヒーラウンジの入り口と中にある作品を見つけることもお忘れなく〜。

あの湯のみの持ち主が数年がかりで判明!!

1月30日(日)まで水戸芸術館で開催。

先に展覧会を開催された大分県立美術館のサイトも、とても参考になります!

個人蔵の作品所蔵の皆さんに感謝!

「個人蔵」の作品が多いにも関わらず、このように作品が一同に集まる展覧会が開催されているのも、持ち主の皆さんが佐藤雅晴さんの作品を愛し、私たちファンにも見せたい、という想いの現れなのでしょう。「死神先生シリーズ」はほとんどずっと、持ち主の方の元に戻ってらっしゃらないのでは、と思うほど、いろいろな会場で鑑賞させていただいています。個人蔵の作品をお持ちの皆さん、ありがとうございます。

 

筆不精な私が、一番ブログに書いてる作家さんかも。

闘病中、不眠で辛そうだったという佐藤雅晴さんが聴いていたマックス・リヒターの「SLEEP」

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